プラスチック研究ラボプラボ

専門知識と情報力を活かして企業の悩みを解決するため、
お役立ちコンテンツをお届けします。

お役立ち情報

ガラス長繊維強化ポリプロピレンについて

ガラス長繊維強化ポリプロピレンとは

軽くて、吸湿せず、強靭で、着色可能

従来の短繊維ガラス強化樹脂と違い、数千本のフィラメントからなるガラス繊維のロービングに溶融したポリプロピレンを均一に含浸させ、必要な長さに切断したペレットです。
短繊維強化の場合は、ガラス繊維チョップと、熱可塑性樹脂を押出機の中で溶融混練する為、ガラス繊維が0.5mm程度にまで粉砕されてしまいますが、この材料は、ペレットと同じ長さの(通常5~30mm)ガラス繊維長が得られます。
この為、従来のエンプラ系素材に匹敵する高強度性能と、PPであることの軽比重、易成形性から大幅なコストダウンが望めます。

特徴

  • エネルギーが吸収され、対衝撃性が飛躍的に向上します。
  • 剛性に優れています。
  • 残存繊維が長いので、補強効果も一段と大きくなり、機械的強度に優れます。また、クリープ特性や振動疲労特性などの耐久性にも優れています。
  • 剛性の温度依存性や、加熱変形量、線膨張係数等の高温特性に優れています。
  • 低収縮で異方性も小さく、短繊維強化樹脂に較べ、反り、ひねりの少ない成形品が得られます。
  • 肉厚の成形品やリブ付き成形品では、ヒケの少ない製品が得られます。
  • 通常の肉厚の成形品では、ガラス繊維が表面に浮き出すことが少なく、外観は良好です。
  • 溶融流動性は極めて良好で、成形性に優れています。
  • ガラス繊維含有量は、10%~40%の間で選べます。
  • カラーはナチュラル、及び黒ですが各色について、カラーマスターバッチで着色可能です。

ガラス長繊維強化ポリプロピレン物性

試験項目単位試験方法
(JIS)
長繊維強化ガラス短繊維強化
PPPPPBTPA66PC
ガラス繊維含有量重量%3030303030
比重K71121.121.121.521.371.43
引張強度MpaK711316095130130125
曲げ弾性率MpaK720359905300863057907500
曲げ強度MpaK7203175120190180180
IZOD衝撃強度ノッチ付き)KJ/m2K71107210101415
熱変形温度(1.82MPa)K7207162151210240145
ロックウェル硬度RスケールK7202110110121121124
成形収縮率流れ方向0.180.200.240.310.18
直角方向0.380.680.381.380.55